SURVEY 経済状況を理由に部活や習いごとを辞めざるを得ない子どもと保護者の実態

日本には家庭の経済的な理由で部活動や習いごとを
辞めざるを得ない、多くの子どもたちがいると
言われています。
その実態を調査するため、インターネットを通じて
全国の保護者(20~59歳女性)211人、
子(15~24歳男女)136人に
アンケートを
実施しました。

誰にも相談できない現実。子どもに本当の理由を言えないことも。

部活動や習いごとを「金銭的な理由で辞める」ことを子どもに伝えた親は65%程度。35%近くの親が本当の理由を言うことができずにいました。
その背景には、周りに知られたくないという気持ちもあるのではないでしょうか。
「金銭的な理由で辞める」ことを家族(配偶者・パートナー)以外に相談してる人はわずか。
ひとり親の世帯であれば、誰にも相談できず、公的機関を頼ることもできない状況に陥っている可能性もあります。

「金銭的な理由で辞める」ことを
子どもに伝えましたか?

伝えていない:31.9%|伝えた:65.9%
半数以上が伝えたが、3割ほどは伝えてない。

「金銭的な理由で辞める」ことを
誰かに相談しましたか?

誰にも相談していない:45.5%|配偶者/パートナー:47.9%|配偶者以外の親戚:7.1%|友人・知人:3.8%|その他:1.4%
半数近くが配偶者・パートナーに相談、
もしくは誰にも相談していない。

どうにもできない状況を、あきらめ、受け入れる子どもたち。

親から『金銭的な理由で辞める』と言われた時の子どもの気持ちは、「仕方がない・しょうがない」が36.0%と最も高く、
次いで「悲しかった」(19.1%)、「続けたい」(5.9%)と続く。
続けたいと思っても、家庭の状況を理解し、泣く泣く受け入れている。そのような子どもが少なくないと考えられます。

「金銭的な理由で辞める」ということを、親に言われた時にどんな気持ちでしたか。

【全体】仕方がない・しょうがない:36%|悲しかった:19.1%|何も思わなかった:11%|その他:33.9%、【文化系】仕方がない・しょうがない:40.2%|悲しかった:17.1%|何も思わなかった:9.8%|その他:33.7%、【スポーツ系】仕方がない・しょうがない:29.6%|悲しかった:22.2%|何も思わなかった:13%|その他:35.2%

子どもたちの声

  • 何も言われずに辞めさせられた。
    悲しかった。
  • やりたかったものを、やめなければ
    ならなくなったのでかなりショックだった。
  • かなりお金がかかっていたので
    仕方がないと思った。
  • 親は苦しい状況でも何とかしてくれていたが、
    それに私が耐えられなくなって
    自分から辞めることを伝えたので、
    悔しかったが仕方がないと思っていた。
  • 特に意見を言えるわけでなく、
    納得した。

仕方なく辞めたが、多くの子どもは続けたかった。

部活動・習いごとを続けたかったかという質問には「続けたかった」48.5%、「やや続けたかった」31.6%となりました。
80%を超える子どもが続けたい思いがありながらも、部活動・習いごとを辞めることとなった現実があります。

その部活動・習い事は、自分としては続けたかったですか。

【全体】続けたかった・やや続けたかった:80.1%|どちらでもない・あまり続けたくなかった・続けたくなかった:19.9%、【文科系】続けたかった・やや続けたかった:82.9%|どちらでもない・あまり続けたくなかった・続けたくなかった:17.1%、【スポーツ系】続けたかった・やや続けたかった:75.9%|どちらでもない・あまり続けたくなかった・続けたくなかった:24.1%
8割近くの子どもが続けたいという意向があった。

30%以上の親が子どもに辞めてもらったことを後悔。

部活動・習いごとを辞めたことについて、子どもの50%以上が後悔、さらに、30%以上の親も後悔していると回答。
「親としての責任を果たせなかった」。「子どもの可能性を閉ざしてしまった」。そのように、自分を責めしまう親も多いのではないでしょうか。

部活動・習い事を辞めたことについて、 後悔していますか。

【親】後悔している・やや後悔している:31.3%|どちらでもない・あまり後悔していない・後悔していない:68.7%、【子ども】後悔している・やや後悔している:55.9%|どちらでもない・あまり後悔していない・後悔していない:44.1%
後悔しているのは、子どもよりも親の方が多くなった。

奨学金制度があれば、
利用したいと答える親子も。

金銭的な理由で辞めざるを得ないときに、奨学金制度があれば利用したかったかを親と子どもに質問。「お金の都合で頑張りを辞めさせたから、後悔しかない…」「子どものやりたいことは、続けさせたかった…」と、後悔が垣間見られる親の回答がありました。子どもからは、「受けられる支援があるなら、試してみたかった」「その存在を知ってたら諦めなかったと思う」という、希望を見出す答えがありました。

子どもたち一人ひとりに寄り添い、
支援していく。

子どもたちの未来をどう支えていくのか。その課題解決の一助となれるよう、
エジミウソンファンズ・アジアは奨学金制度の取り組みを進めていきます。

調査概要

  • 調査協力
    武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 教授 佐藤 大吾
    武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 講師 高松 宏弥
  • 調査機関
    株式会社GO-3
  • 調査方法
    インターネット調査
  • 調査地域
    全国
  • 調査対象
    1. 母親(小学生以上の子供と同居している20~59歳女性)
    2. 子供(15~24歳男女)
  • スクリーニング条件
    金銭的な理由で、部活動もしくは習い事を諦めざるを得なかった経験がある
  • 回答者数
    • スクリーニング調査(①母親52,714名 / ②子供18,277名)
    • 本調査(①母親211名 / ②子供136名)
  • 調査時期
    2022年2月9日(水)~2月17日(木)