DREAM VOICE 夢を追いかける子どもたち

サッカーを続けることで、人として成長できました。
だからこそ、将来はサッカーで恩返ししたいです。

K・Tさん(15歳 男)

今のサッカー環境について、どんなことを感じていますか?

僕が住んでいる場所は、人口が5,000人にも満たない沖縄の離島です。島にはサッカースクールがありますが、小学5年生の頃からサッカーをする仲間が減り、中学校にはサッカー部がなかったため、小学6年生からは沖縄本島のクラブチームに通っています。平日は自主練をし、週末は試合やチーム練習があるため、金曜日の最終船で本島に渡り、日曜日に帰る生活を続けています。本島では高校に通う兄弟のアパートに泊めてもらっています。そんな環境の中でもサッカーを続けられていることは本当にありがたいです。

サッカーを続けていて、“やっててよかった”と思えるのはどんなことですか?

チームでの僕のポジションはキーパーです。以前キーパーをしていた仲間が辞めたとき、自分が挑戦してみようと思ったのがきっかけでした。自陣の最終ラインはディフェンスですが、その最後の砦となるキーパーにはやりがいがあって、何より楽しいと感じています。チームにキーパーは僕一人だけなので、練習ではプロ選手の動画を参考にしながらスキルを磨きました。試合に常に出場することで、実践経験を積む機会が多く、自信をつけることができました。キーパーは後ろから全体を見渡せるポジションなので、ディフェンスのラインが揃っていないときに声をかけて整えることも重要な役割です。実はサッカーが嫌になったこともあります。仲間がサッカーを辞めたとき、自分も辞めたくなったことがありました。また、自分のミスで試合に負けたときは、とても落ち込みました。でも次の練習では、仲間が全く気にしていなくて、次の試合にどう勝つかを話し合っているうちに、自然と前向きな気持ちになれました。そのチームメイトと一緒に最後の大会ではベスト8まで進むことができました。優勝を目指していただけに悔しさもありましたが、仲間とともに戦えたことは最高の思い出です。

MESSAGE 応援してくださる、皆様へ

島には高校がありません。来年から高校に通うため僕は島を離れます。高校での目標は全国大会に出場し、沖縄県として初優勝です。そして将来の夢はプロのサッカー選手になること。その後は、僕が学んだサッカーの楽しさや大切なことを、子どもたちに伝えられる指導者になりたいと思っています。島の子どもたちをはじめ、一人でも多くの子どもがサッカーを楽しめるように、自分が恩返しできる存在になりたいです。今回、このサッカー奨学金をいただけたおかげで、必要な道具を揃えたり、サッカークラブに通うための交通費をまかなうことができました。サッカーを続けてきたことで、サッカーの楽しさと技術の奥深さを知るだけでなく、自分を支えてくれる人、声をかけてくれる人たちへの感謝の気持ちも学ぶことができました。将来は、僕もエジミウソン・ファンズアジアのような活動に取り組み、サッカーができる子どもを一人でも増やしていきたいと思っています。本当にありがとうございました!これからも全力で頑張ります!

一覧へ戻る