

照りつける太陽の下、鹿児島県枕崎市のグラウンドに立つ一人の男。 彼の視線の先には、幼いころ何度も蹴り続けたボールと、汗と涙を刻んだ地面。
那須大亮——サッカー選手として、そして今はYouTuberとしても活躍する彼が、 この地に再び戻ってきた。
彼の原点、そして彼を突き動かし続けるものとは何なのか。
夢の始まりはキャプテン翼
「どっちかのスポーツ少年団に入れ」
小学校3年生のとき、父親のその一言が彼の人生を決めた。
サッカーか野球か。
迷うことなく選んだのは、毎日のように読みふけっていた『キャプテン翼』の世界。 漫画の主人公のように、ボール一つでどこまでも行ける気がした。
サッカーボールがあれば、どこにでも行ける。 どんなに遠い夢だって、届く気がした。
車のライトに照らされながら
蹴り続けた日々
「365日、ここにいた。」
少年だった那須大亮は、毎日グラウンドに立ち続けた。
中学3年生の夏、部活が終わってから高校入学までの半年間。 朝、家から6kmを走り、2時間の自主練。 社会人チームに混じって1時間半の練習。 その後も夜遅くまでひとりでボールを蹴り続ける。
父親の仕事が終わるのは夜11時半。 その時間になると、父が車のヘッドライトでグラウンドを照らし、 彼は光の中でただひたすらボールを蹴った。
足が動かなくなるまで。
「朝から晩まで、文字通りずっとサッカーをしていた。」
壁にぶつけたボールの音、土の匂い、汗に滲む夜風。
「ここで1対1をしたな、この壁に蹴り込んだな。」
すべてが鮮明に蘇る。
彼の中にあったのは、
「鹿児島実業で試合に出て、活躍する」
その想いだけだった。


恩師との出会い、
そして鹿児島実業へ
彼には、いつも悔しい思いをさせられるライバルがいた。
九州選抜に選ばれた、ずば抜けて上手い同級生。
しかし、ある日彼の人生を変える恩師と出会う。
「練習は、量だけじゃない。質を上げろ。」
その言葉が、彼の意識を変えた。
恩師は、単身ブラジルへ渡り、プロ契約を勝ち取った男だった。
その背中を見て、彼はさらに貪欲にサッカーと向き合うようになった。
「この人のようになりたい。」
教えられたトレーニングを、自分なりにアレンジし、 日々進化し続けた結果、鹿児島実業高校への推薦が決まった。

プロの世界、そしてサポーターとの絆
横浜F・マリノス、東京ヴェルディ、ジュビロ磐田、柏レイソル、浦和レッズ。
Jリーグの名だたるクラブを渡り歩きながら、那須はプロとしての道を極めていった。
だが、その中で彼の価値観を大きく変えたのが、浦和レッズのサポーターとの出会いだった。
「一緒に戦いましょう。」最初は違和感しかなかった。
今までのサポーターなら「頑張ってください」と声をかけてくれた。
だが、浦和のサポーターは違った。
「一緒に戦うんだ。」
試合の終盤、苦しい時間帯。
スタンドから響く「ウィーアーレッズ」の声。
「彼らも戦っている。」
その瞬間、 彼は初めて、 ピッチに立つ11人だけが闘っているわけじゃないことに気づいた。
サッカーとは、 自分だけのものではなく、 多くの人の思いを背負って戦うものなのだと。

“フットボールにすべてを懸ける”
「フットボールは、人の心を動かす力がある。」
だからこそ、彼は今、YouTuberとして、経営者として、 日本サッカーの価値を高めるために活動している。
「俺は、フットボールに命を懸けるだけの価値があると思ってる。」
それが、 那須大亮の生き方だ。
未来への挑戦
現在、彼はYouTubeを通じてサッカーの魅力を発信し続けている。
「日本代表が次のワールドカップでベスト8の壁を破るためには、 多くの人がサッカーの価値を理解し、応援する文化を作らなければならない。」
Jリーグの価値を高め、 日本サッカーを次のステージへ押し上げること。
それが、彼の新たな挑戦である。
「フットボールは、ただのスポーツではない。 人を感動させ、人生を変える力があるんだ。」
これからも那須大亮は、 サッカーと共に走り続ける。



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フットボールに生きる、
次の物語も順次お届けしていきます。